2017年12月17日日曜日

人生が劇的に変わる 脳の使い方

人生が劇的に変わる 脳の使い方   加藤俊徳  PHP研究所

ただの自己啓発本と思ってナナメ読みするつもりだったが、なかなかどうして理にかなったことが書いてある。「脳を使う」という自己を客観化する姿勢が面白い。言っていることは従来と変わらないが、脳番地という概念は新鮮だ。

ニューヨーク 芸術家と共存する街

ニューヨーク 芸術家と共存する街  塩谷陽子  丸善ライブラリー

ニューヨークを舞台に、芸術家を支援するシステムやそこで生活するアーティストたちの活動を紹介する。努力しているのはどこでも同じだが、ニューヨークの観客のリアクションが素晴らしいとのこと。近い将来、ニューヨークで展示か路上でもよいからパフォーマンスして観客の反応を見てみたいものだ。

2017年12月10日日曜日

死刑 その哲学的考察

死刑 その哲学的考察 萱野稔人 ちくま新書


とても現実的な議論。
道徳論では結論が出ない。

冤罪は権力が引き起こす可能性が大きいこと。冤罪で死刑にすると取り返しのつかないこと。
終身刑は、犯罪者が死に逃げ込むことを許さない、ある意味効力のある刑だということ。



2017年12月3日日曜日

レヴィ=ストロース 夜と音楽

レヴィ=ストロース 夜と音楽  今福龍太  みすず書房

レヴィ=ストロースは、数学や言語学のみならず、音楽、芸術からも深い影響を受けていた。そしてそれは彼の知的活動の通奏低音となっていた。

音楽家の祖父らを持ち、幼少時から音楽会に行っていた。
ラヴェルのボレロ初演時、二十歳のレヴィ=ストロースはその場にいた。

「およそ関係なさそうなものを比べてみることを恐れなくなったのはシュールレアリストから学んだことです。(中略) 『野生の思考』を読んでくだされば、その影響がお分かりいただけるでしょう」 遠近の回想 70頁


「けれども私は存在する。おそらく個人としてではなく、なぜならこうした観点からすれば、私とは、頭蓋骨という蟻塚の中に収められた無数の神経細胞から成る一つの別社会と、それに対してロボットのように働く私の肉体とのあいだの闘いにたえず巻き込まれている争点でなくて何であろうか?」  悲しき熱帯 最終章 私訳

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ヘンリー・ソロー 野生の学舎

ヘンリー・ソロー 野生の学舎  今福龍太  みすず書房

クロス・ライティング  美しい
https://www.google.co.jp/search?q=cross+writing&rlz=1C1CHZL_jaJP767JP767&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwju98Tz7ezXAhVPO7wKHcINAtcQ_AUICigB&biw=1189&bih=594#imgrc=_

華氏451のエピグラフ(文書の巻頭に置かれる引用句)
Si os dan papel pautado, escribid por orto lado.
If they give you ruled paer, write the other way.

悪筆 ---「めくるめくばかりに瞬間変容を繰り返す、エーテル体のような霊妙なエクリチュール」

筆致が流れる雲の形状のデッサンに酷似している。
「書物は読まれないことによって朽ちかける。だが、そこからまさに肥沃な土壌が作られ、春の湧き水とともにボウフラやオタマジャクシが湧き、ついには蚊やカエルがその豊穣な泥水のなかから姿をあらわして、忘却のなかで惰眠をむさぼる世俗世界に向けて精妙な声で鳴き出す。このかぼそく、かつ野太い声を聞きとること。」

「聴くに値するのは沈黙だけだ」
ジョン・ケージに引き継がれる。

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