2018年6月17日日曜日

不可触民と現代インド

不可触民と現代インド  山際素男 光文社新書

彼はある意味で特別な人かもしれない。しかし、己の才能と成功を他者のために生かそうとするには、己と他者というものの関係が余程深く認識され、己自身を切っても切れない、体の一部と化した“心の働き、認識力、想像力”が伴わねば、才能も単なる才能として重宝がられ利用されるに過ぎないだろう。それが金になればいいではないか。才能のない奴らには所詮手の届かない世界というものがあるさ、と嘯(うそぶ)いてすませる人には、自分の見えない世界を更に探ろうとする、見ようとする想像力を心の働きが乏しいのだ。
第二章

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