2018年8月20日月曜日

光と風のクリエ

光と風のクリエ 金大偉  和器出版

600ページの大著だが、平易な文章なので一気に読めた。音楽家、映画監督、写真家・・・多彩な顔を持つ金さんだが、今回、思想家としての金さんを改めて見出した。以前からトークなどでアニミズムや多元文化的な視点から発言していたのを聞いていたが、この著書では自身の出自である満州族の文化、音楽家としての体験、石牟礼道子との交流、などの金大偉の世界の一切が、タオイズム・シャーマニズム・深層心理学等々の古今の思想や文化論を引き、首尾一貫した態度で説明されている。その博識と思想の一貫性は注目に値する。金さんは芸術に多大な期待を持っている。というより彼のいう統合ー互いにが互いを認め合い、違っていながら共存し調和するという発想でこれからの世界を作って行こうと考えている。私は本気でこんな事をいう人を初めて知った。しかもそれは金さん自身の体験から導かれ、読めばとにかくうなずかざるを得ない。彼はニーチェのように一神教はトラウマ的と看破する。なぜ今、人類の三分のニは一神教的世界に住んでいるのか?人類のトラウマはそれほど深いということだろうか?考えさせられる。

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