2018年2月12日月曜日

ソシュールの思想

ソシュールの思想 丸山圭三郎 岩波書店

目を引く記述は一つもなかった。私の追求するものはソシュールの中にはないのだと思う。

ソシュールを読む

ソシュールを読む  丸山圭三郎 講談社学術文庫

言語と実体の間に興味がある私としては、ソシュールを再確認しておく必要があった。
だが結局は再確認に終わった。それ以上のものはなかった。

ソシュールはシニフィアンとシニフィエの間にはなにもないと思っていたのだろう。



言葉と無意識

言葉と無意識 丸山圭三郎  講談社現代新書

1987年の著作

丸山先生は言わずとしれたソシュールの研究で著名。言葉の背後にうごめく深層心理について書いた著作だが、なにか・・・どきどきしない。
なんだか姿勢が学者的で客観的な気がする。さすがに書いてあることも古いし。

売る力

売る力 心をつかむ仕事術 鈴木敏文 文藝春秋

いまや社会のインプラの一つとなったコンビニエンスストア。独り勝ちを続けるセブンイレブンの創業者の著作。
巷の書評をみるとどれも好意的なものだ。しかし、期待を超える、とか、顧客の視点、とか目新しいものではない。しかしそれを徹底しているところがセブンイレブンの強さだろう。飽きる消費者の先をいくように毎年少しずつ進化して初めて「いつも変わらぬ」と思われるということだ。ちょっと空恐ろしい。
このようにして我々の日常感覚は、先取りされ、なかば作られているのである。
その意味で考えさせられる本である。


自分を「売る」力


自分を「売る」力  齋藤孝 講談社α文庫

ビジョンを持てとか書いてあるけど、そのビジョンを描くのが難しい。内容もこれまでの齋藤先生の著作を重複している。

自分を「売る」力―斎藤流トレーニング (講談社プラスアルファ文庫)

2018年2月3日土曜日

脳の中の天使

脳の中の天使
V.S.ラマチャンドラン  山下篤子 訳  角川書店

21世紀のどこかの時点で、科学は残された最大の謎の一つ、自己の本質に直面することになるだろう(p348)

自己の諸面
1,統一性 自分を一人の人間として感じる
2,連続性 自己のアイデンティティに時を通してつながる連続感を持っている。
3,身体性 自分の体に固定され、それになじんでいると感じる。車のキーを持った手が自分の手ではないかもしれないとは考えないウェイターやレジ係の腕を自分の腕だと思い込んでしまうおそれがあるとも考えない。
4,私秘性 あなたのクオリアと精神生活はあなた自身のものであり他の人は観察できない。
5,社会的埋め込み 私たちの情動性のほぼすべてが、他の人々との関係性においてのみ意味をなす。自己が社会的環境の一部であると感じることを必要としているかのあらわれである。
6,自由意志 意識的にどれかを選択することができるという感覚をもっている。
7,自己認識 自己認識は、あなたの脳がミラーニューロンを再帰的に使って、ほかの人の視点(他者中心の視点)から自分自身を見ることを可能にしている。

身体化 
四肢切断願望 -先生、この腕をとってください。(手や足をよけいなものと感じる。)
身体パラフレニア -先生、これは母の腕です。
性同一性障害 -先生、私はまちがった体のなかに閉じ込められているのです
統一性
半球特異性 -先生、私には二つの心があります。
体外離脱体験ー先生、私は自分の体を置き去りにしてしまいました。
自己認識
コタール症候群 -先生、私は存在していません。
先生、私は神と一体です。

自分が自分であること、というのは、非常に複雑で多数の要素が同時に成り立たなくてはならないことであり、たった一つ欠損しても、うまくいかない。自己の要素の一部がやぶれたら自意識はなりたたない。いや実は、本当のところは自己の一部はすで破れているのかもしれない。そしてそこから漏れ出したものが法律や政治や経済を動かしているのかもしれない。

くらしの中に 新・古美術

くらしの中に  新・古美術
塚田晴可  淡交社

良い趣味、とはこういうことをいうんだろうな。
西洋と東洋、赤と青、古代と近代など、一見異なる組み合わせの妙を楽しむ。
このご主人の店(ギャラリー無境)に行ってみたいと思って調べてみたら
すでに若くして亡くなっていた。2009年55歳の若さだった。